iPadでは、「青空文庫」が、縦書きの印刷形式で読めるので、とても重宝します。いったい何百冊の本が収納されているかわからない位、多くの古典文学(文庫本)を読むことができます(ただし、著作権が切れた古い作品ですが)。

 夏目漱石とか芥川龍之介などの古典文学はほとんどカバーしています。私がきょう選んだのは、島崎藤村の詩集です。『若菜集』から、思い出の詩「初恋」です。


まだあげ初(そ)めし前髪(まへがみ)の
林檎(りんご)のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛(はなぐし)の
花ある君と思ひけり

やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅(うすくれなゐ)の秋の実(み)に
人こひ初(そ)めしはじめなり

わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃(さかづき)を
君が情(なさけ)に酌(く)みしかな

林檎畑の樹(こ)の下に
おのづからなる細道(ほそみち)は
誰(た)が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ

 いまだに色褪せることのない、永遠の青春文学作品ですね。iPadと「青空文庫」がなければ、決して読み返すことはなかったでしょう。感謝!