ウィキペディアは、トリビアルな情報を探すには最適なサイトだろう。例えば、さきほど「11月19日」というキーワードで検索したところ、ウィキペディアの「11月19日」という項目がヒットした。そこには、11月19日に起こった歴史上の有名な出来事が年代別に列挙されていた。そこで発見したのだが、今から42年前の今日は、あのアポロ12号が世界で初めて月に着陸した日だったのだ。世界中がテレビに釘付けになって、感動をもって見守ったあの出来事が、42年前の今日起こったということが、ウィキペディアを通じて発見されたというわけだ。「だから、なんなの?」といわれるかもしれないが、家族や友人との話題の足しにはなるのではないだろうか。こういったウィキペディアの使い方もあるというお話。ちなみに、項目内のリンクをたどると、月面での活動開始時刻は、「1969年11月19日11時32分35秒 UTC」という情報まで記載されている。この項目を作成した人の思い入れが伝わってくるようだ。

 こういったウィキペディア情報のトリビアル性は、旧来の百科事典と大きく性格を異にする点だ。ポケモン(ポケットモンスター)に関する記述が異常に長いといった批判もある(アスリーヌ『ウィキペディア革命』p。85「ポケモンの記事はイマヌエル・カントの記事と同じ長さでよいのだろうか」→これはフランス語版の話)。全体的統一性に欠けるという主張だ。

 ポケモン項目の日本語版は、なぜか「荒らし」のために半保護状態にある。しかし、フランス語版や英語版での記事の長さは、海外でもポケモンが大人気だというグローバルな大衆文化現象を示す一つの指標としては使えるかもしれない。また、アメリカやフランスでは、ポケモンキャラクターの名前やタイプの名前がどのように翻訳されているかも知ることができる。なぜか、フランス語版や英語版の方が、カラー写真がふんだんに取り入れられている。これは、本家である日本としてはちょっと残念であり、さびしい。

 →フランス語版ウィキペディア「ポケモン pokemon」の項目
 →日本語版「ポケモン」の項目
 →英語版「ポケモン」の項目