gooとインターネットコムが行った電子書籍の利用に関するアンケート結果が公表されている〔10月7日〕。

 それによると、「電子書籍/雑誌を読んだことがありますか」という質問に、「はい」が37.2%、「いいえ」が62.8%であった。ネットユーザーが対象であるとはいえ、これはかなり高い数値といえるだろう。また、読んだ経験のない677人に読みたいかどうか質問したところ、44.8%が「はい」と答えたという。潜在的な読者層が半数近くいるという結果だ。今後、キンドルで日本語の本や雑誌で読むことができるようになれば、こうした潜在的な読者が顕在化することになるかもしれない。

 さらに、使いたい専用リーダー端末を聞いたところ、第1位がソニーのリーダー、第2位がキンドルとなっていた。iPadが入っていないのは、「専用リーダ-」に絞っているためだろう。質問の仕方には若干の疑問が残る。

使いたい専用リーダー
              (インターネットコム 2011年10月7日付記事より)

※なお、第3位に入っている「ガラパゴス」はすでに販売を打ち切っている。栄枯盛衰の激しい業界だけに、今後の展開を逐一ウォッチしていきたいと思う。

 iPad利用者に特化したアンケートとしては、1年前のデータとなるが、電通総研が米国で実施したインターネット・パネル対象の調査が一部公開されている(2011年1月28日公表)。iPadは専用リーダーではなく、インターネットのあらゆるサービスも利用できることから、利用コンテンツもバラエティに富んでいる。その中で、電子書籍の利用割合が注目点となる。これについては、次の図のような結果が得られている(端末の利用目的)。

ipad利用目的

                  (電通総研『米国iPad利用実態調査』より)

 これをみると、「電子書籍」が第4位にランクインしている点が注目される。コンテンツ消費のトップに位置しているということで、iPadが多くのユーザーにとって、電子書籍リーダとして使われているという実態が示されている。今後は、キンドル・ファイアーとの間で激しいシェア争いが展開されることになりそうだ。