2008年米大統領選挙に向けて、2008年2月2日にユーチューブにアップされた「YesWe Can」というタイトルのミュージックビデオがある。投稿者は、will i am。複数のミュージシャン達がオバマ候補のスピーチに合わせて、Yes We Canという共感のメッセージを伝えたものだ。いま時点では2300万回も視聴されている。このビデオは、メールやSNSなどを通じて大勢の人々に伝えられ、共感を呼び、オバマ候補の支持拡大に大きな役割を果たしたといわれている。



 『「オバマ」のつくり方』という本がある。その冒頭で著者は、2008年2月、トロントのアパートで、この動画へのリンクがはってあるメールを目にした体験を語っている。ツイッターやフェイスブックでもうわさになっていると聞き、彼女はユーチューブのこの動画を見て感激し、オバマ陣営のキャンペーン活動に参加することになったという。
人気ヒップホップグループ「ブラック・アイド・ピーズ」のウィル・アイ・アムが大勢のセレブと一緒にバラク・オバマ上院議員の演説に合わせて歌っていた。私の関心を引いたのはリッチな有名人たちの顔ではない。その瞬間まで遠くから観察するだけの存在だった1人の男が発する、希望と変革のメッセージだった」(ラハフ・ハーフーシュ著『「オバマ」のつくり方』より)

 2012年の大統領予備選まであと数ヶ月。オバマ大統領はどのようなキャンペーン戦略を繰り出してくるだろうか。ソーシャルメディアは、オバマ再選にどのような役割を果たすだろうか?いまから期待が膨らんでくる。

 オンライン上では、早くも選挙戦が始まっている。

 →My.Barackobama.com公式サイト
 →facebook オバマ公式ページ
 →twitter オバマ公式アカウント

 日本でも、来年あたり衆議院選挙が行われる可能性が高いと思われるが、このような魅力的なユーチューブ動画がアップされると、若者はもっと政治や選挙に関心をもつようになるかもしれない。