昨今の出版界は、きびしい不況の状態に置かれている。
 出版物の流通経路は、下の図のようになっている。かなり複雑な流通経路を持っていることがわかる。全経路に占める取次経路のシェアは、書籍が約7割、雑誌が約8割となっており、取次経由の流通が圧倒的に多い。また、出版社の97%がトーハンと日販と取引しており、取引ウェイトは6割以上となっている。ちなみに、欧米の書籍流通は、出版社-書店の直接取引が7~8割あり、取次経由のシェアは2~3割にとどまっており、日本とは大きく異なっている。今後、電子書籍が増大するにつれて、こうした流通経路がどのように変わってゆくのか、注目される。

出版物の流通経路
      出版界の流通経路(白書出版産業2010より作成)

 出版物の市場規模はどの程度のものなのだろうか?『白書出版業界2010』によると、販売金額ベースでみると、下の図のようになっている。

書籍・雑誌の販売金額推移
 書籍・雑誌の販売金額(単位:億円) (白書出版業界2010より)

1996年にピーク(2兆6563万円)を迎えた以降は、一貫して減少していることがわかる。一方、電子書籍は、このグラフには出ていないが順調に売り上げを伸ばしているようだ。電子書籍の流通は、まだ限定的であり、コンテンツも、文庫本やエロ的な内容の書籍が圧倒的に多いが、今春以降、米国のアマゾンが日本でもkindle端末を販売するといわれており、急速に増大する可能性が高い。今後の動向に引き続き注目していきたい。