メディア・リサーチ

メディアとコンテンツをめぐる雑感と考察

2011年10月

 Didital Divideと同様、最近忘れられているネット用語として、WEB2.0ということばがある。ソーシャルメディアにほとんど置き換えられた感がある。

 Web2.0という言葉が初めて登場したのは、いまから7年前の2004年のことだ。同年10月、アメリカの出版社オライリーメディア社のCEOであるテム・オライリー氏が、サンフランシスコで「Web2.0カンファレンス」という会議を開催したのが始まり。翌2005年9月30日、オライリー氏は、ウェブ上で「Web2.0とは何か?」という題名の論文を発表し、その全体像を明らかにした。その直後から、日本でもこの言葉が大きな話題になった。日経ITPROのウェブサイトをみると、10月21日付けの記事として、「web2.0を知っていますか?」という詳しい紹介記事が掲載されている。また、2006年2月には、Internet Watchでも、詳しく紹介されている。そこでは、web2.0 7つの原則という形で整理されている。

(1)ウェブがプラットフォームとして振る舞う → グーグルなど
(2)集合知を利用する → グーグル、アマゾン、はてなブックマーク、@コスメ、ウィキペディアなど
(3)データは次世代の「インテル・インサイド」 → グーグルマップなど
(4)ソフトウェア・リリースサイクルのおわり →ソフトは市販ではなく、自社サーバーにおく
(5)軽量なプログラミングモデル → 迅速に開発できる環境を構築
(6)単一デバイドのレベルをこえたソフトウェア → PCだけではなく、ケータイやスマホにも対応
(7)リッチなユーザー経験 → 待ち時間のない、ユーザー本意のサービス

 これらの原則は、ソーシャルメディア全盛の今日でも十分通用するものではないだろうか。

 では、Web2.0はその後、どのように展開しているのだろうか?まったく消えてしまった訳でもないようだ。オライリー氏自身が2009年に発表した "Web squared: web2.0 five years on"という論文で、その手がかりを探ってみたい。原論文を読もうと思ったら、その抄訳(解説つき)がウェブ上で公開されていたので、とりあえず、リンクをつけさせていただきたい。

 ・web squared (ウェブの2乗 その1)
 ・web squared (ウェブの2乗 その2)
 ・web squared (ウェブの2乗 その3)
 ・web squared (ウェブの2乗 その4)

 例によって、原論文の中に出現する難しい英単語を学びながら、読み進めていくことにしたい。

<序>
・bust  破裂、破産、破綻
 〔原文〕 The original Web2.0 Conference was designed to restore confidence in an industry that has lost its way after the dot-com bust.
 〔訳〕 もともとのweb2.0カンファレンスは、ドットコムバブル破綻のあと、業界が見失った自信を復活させるために企画されたものである。

・sentient 感覚をもった
 〔原文〕We're constantly asked about "Web3.0". Is it the semantic web? The sentient web? Is it the social web? The mobile web?
 〔訳〕われわれは絶えず「ウェブ3.0」について尋ねられてきた。それは意味論的なウェブか?感覚をもったウェブか?ソーシャルなウェブか?モバイルウェブか?、などと。

<集合知を再定義する:新たな入力センサー>
( redefining collective intelligence: new sensory input)

・lingua franca 共通語
 〔原文〕 Consider search - currently the lingua franca of the Web. (中略) Modern search engines now use complex algorithms and hundreds of different ranking criteria to produce their results.
 〔訳〕ウェブの共通語になっているサーチ(検索)を考えてみよう。(中略) 現在のサーチエンジンは、検索結果を作り出すために、複雑なアルゴリズムと数百ものランキング基準を用いている。

<ウェブはどのようにして学ぶのか:明示的 対 暗示的な意味>
(How the Web learns: Explicit vs. Implicit Meaning)

・inferential 推理的、推測的、推論的
〔原文〕But how does Web learn? What we see in practice is that meaning is learned "inferentially" from a body of data.
〔訳〕しかし、ウェブはどのようにして学ぶのか?実際に見るのは、意味がデータの中から「推論的」に学習するということである。

<ウェブと世界の出会い:「情報の影」と「事物のインターネット化」>
(Web Meets World: The "Information Shadow" and the "Internet of Things")

・breakthrough 大きな進歩、躍進、貴重な発見
〔原文〕The increasing richnessof both sensor data and machine learning will lead to new frontiers in creative expression and imaginative reconstruction of the world. (中略)All of these breakthroughs are reflections of the fact noted by Mike Kuniavsky of ThingM, that real world objects have "information shadows" in cyberspace. For instance, a book has information shadows on Amazon, on Google Book Search, on Goodreads, Shelfari, and librarything, on eBay and on BookMooch, on Twitter, and in a thousand blogs.
〔訳〕センサーデータや機械学習におけるリッチさの増大は、創造的な表現や世界のイマジネーションに満ちた再構築における新しいフロンティアへと導いてくれるだろう。(中略) これらすべての画期的進歩はThinfMのmike kuniavskyが述べているように、現実世界の事物がサイバースペースに「情報の影」をもっているという事実の反映である。例えば、一冊の本はアマゾン、グーグルブックサーチ、等々に情報の影をもっている。

・hodgepodge (主に米国で用いられる)ごた混ぜ
〔原文〕Many who talk about the Internet of Things assume that what will get us there is the combination of ultra-cheap REID and IP addresses for everyday objects. The assumption is that every object must have a unique identifier for the Internet Things to work. What the web 2.0 sensibility tells us is that we'll get to the Internet of Things via a hodgepodge of sensor data contributing, bottom-up, to machine-learning applications that gradually make more and more sense of the data that is handed to them.
〔訳〕事物のインターネット化について語る多くの人は、われわれをそこにつれていくのは、日常的な事物に対する超安いREIDタグとIPアドレスの結合だということを想定している。この前提は、事物のインターネット化がうまく働くためには、すべての事物はユニーク(独自)な識別子をもっていなければならないということである。(しかし)Web2.0のセンシビリティがわれわれに教えてくれるのは、我々はセンサーのごたまぜのデータを介して事物のインターネットに到達することができるということだ。こうしたセンサーデータは、ボトムアップ式に機械学習的なアプリケーションに貢献し、次第により多くのデータを意味づけるようになるだろう。

〔注〕(事物のインターネット化の例):
 スーパーマーケットの棚に並んでいるワインが事物のインターネット化に参加するには、RFIDタグは必要ない。それには、単にあなたがワインのラベルをケータイで写真に撮るだけでいいのだ。あとは、あなたのケータイ、イメージ認識装置、サーチ、感覚的ウェブ、GPSなどが(自動的に事物のインターネット化を)やってくれるわけだから。
 
・revelation (今までわからなかったことを)明らかにすること、暴露、発覚
〔原文〕As more and more of our world is sensor-enabled, there will be surprising revelations in how much meaning - and value - can be extracted from their data streams.
〔訳〕われわれの世界がますますセンサーで探知できるようになるにつれて、どれほど多くの意味(そして価値)がそうしたデータ・ストリームから抽出されるという新たな発見が生まれることだろう。

<リアルタイムの台頭:集合的精神>
(The Rise of Real Time: A Collective mind)

・cascade 小滝;階段状に連続する滝
〔原文〕Real-time search encourages real-time response. Retweeted "information cascades" spread breaking news acrosss Twitter in moments, making it the earliest source for many people to learn about what's just happened.
〔訳〕リアルタイムの検索はリアルタイムの反応を促進する。リツイートされた「情報の奔流」はツイッターを通じてあっという間にニュース速報を拡散させ、多くの人々によって、いま起きたばかりの出来事を知るための最初の情報源となる。

・infuse (人・心を)満たす
〔原文〕 Real time is not limited to social media or mobile. Walmart realized that a customer purchasing an item is a vote, and the cash register is a sensor counting that vote.  Real-time feedback loops drive inventory. WalMart may not be a Web2.0 company, but they are without doubt a Web Squared company: one whose operations are so infused with IT, so innately driven by data from their customers, that it provides them immense competitive advantage.
〔訳〕リアルタイムはソーシャルメディアやモバイルだけに限られているわけではない。ウォルマートは顧客の購買行動が「投票」であることに気づいた。そして、キャッシュレジスターが投票を数えるセンサーになっているのだ。リアルタイムのフィードバック・ループが品揃えに反映される。ウォルマートはWeb2.0の企業ではないかもしれないが、間違いなくウェブ2乗の企業である。そのオペレーションはITに満ちあふれている。本質的に顧客からのデータによって動いているので、彼らにとっては巨大な競争上の優位性を提供しているのだ。

<結論:大切なもの>
(In Conclusion: The Stuff That Matters)

・leverage (~に)影響力を行使する
〔原文〕 2009 marks a pivot point in the history of the Web. It's time to leverage the true power of the platform we've built. The Web is no longer an industry unto itself - the Web is now the world.
〔訳〕2009年はウェブの歴史の中でも画期的な位置を占める。それはわれわれが築いたプラットフォームの力を行使する時だ。ウェブはもはや一業界のものではない。ウェブは今や世界そのものなのだ。

〔終わり〕




 あす中に、世界の総人口が70億人を超えるとの予測。Worldometerでは、カウントダウンが進行中。爆発的増加の主な原因は、アフリカ諸国の激増にある、と。人口増と貧困の悪循環がとまらない。
 
 ・読売新聞「明日、世界人口70億人に
 ・Worldometers

 これもまた、The Digital Divideという本で抜粋が掲載されていた章のタイトルです。Grown Up Digital (pp.73-96)。すでに、2009年に邦訳が出ています(原書は2008年刊行)。詳しくはそちらを参照していただくとして、ここでは、英単語の勉強の一部として、抜粋を紹介しておきたいと思います。ちなみに、「8つの規範」とは、世界中の6000人のネット世代に対する調査をもとに、かれらのもつ規範(他の世代と異なる態度、行動上の特性)を抽出したものです。翻訳はまだ手元にないため、訳語が違っているかもしれません。

(1)自由(freedom)
(2)カスタマイズ性(customization)
(3)探索力(scrutiny)
(4)誠実さ(integrity)
(5)協働(collaboration)
(6)娯楽(entertainment)
(7)スピード(speed)
(8)イノベーション(innovation)

pester (人などを)悩ます、困らせる
 〔原文〕Since I was in the business of observing the impact of the Internet, I started pestering Niki with questions at the dinner table about what she was doing online.
 〔訳〕私がインターネットの影響を観察するビジネスを始めて以来、私はディナーテーブル上でニキ(タプスコットさんの娘)がオンラインで何をしているのかという質問で彼女を悩ませることになった。

(1) freedom(自由)

revel (・・・を)大いに楽しむ、耽る
 〔原文〕 They revel in the freedom. My son Alex, for instance, is thinking about getting an MBA or a law degree. But when I asked him about his immediate plans for a job, he put it this way:"A commitment of three years or more would make me hesitate...."
 〔訳〕彼ら(ネット世代)は自由を満喫している。例えば、私の息子アレックスは、MBAの資格や法学士の資格を取得することを考えている。しかし、就職についての直近の計画を訪ねると、こんな風に答える:「3年以上拘束されるのはいやだ、、、。僕は20代のうちは、自分探し、自己実現に専念したいんだ」

hedgehog ハリネズミ 
 〔原文〕Curious whether the African Pygmy hedgehog makes a good pet for a pre-teen? Google offers more than 25,000 links to "African Pygmy Hedgehog" to help the Net Gener decide.
 〔訳〕アフリカ・ピグミー・ハリネズミがプレティーンにとってよいペットかどうか、興味がありますか?グーグルはネット世代の決定を助けるために「アフリカ・ピグミー・ハリネズミ」へのリンクを25000以上張っているのだ。

(2) customization(カスタマイズ性)

quaint 古風な
relic 遺物
〔原文〕With YouTube, television networks run the risk of becoming quaint relics. The industry will still produce programming, but where and when the programming is watched will be up to the viewer.
〔訳〕ユーチューブのおかげで、テレビネットワークは古くさい遺物と化す危険を負っている。この業界は依然として番組を作り続けるだろうが、いつどこで番組が見られるかは、視聴者次第だ。

(3) scrutiny(探索力)

fisher フィッシング詐欺
scam 信用詐欺
〔原文〕Net Geners are the new scrutinizers. Given the large number of information sources on the Web, not to mention unreliable information - spam, phishers, inaccuracies, hoaxes, scams, and misrepresentations - today's youth have the ability to distinguish between fact and fiction.
〔訳〕ネット世代は新しい探索者だ。ウェブ上にある数多くの情報ソース(信頼できない情報-スパム、フィッシング詐欺、デマ、信用詐欺、誤った記述など-)からすると、今日の若者は事実と虚偽を見分ける能力を持っているといえる。
candor 公平無私、虚心坦懐、正直、率直
〔原文〕For anyone wanting to reach this age group, the best strategy is candor. They should provide Net geners with ample product information that is easy to access.
〔訳〕この年代グループに到達したいと思う者はだれでも、最良の戦略は「率直さ」だ。かれらはネット世代に対し、アクセスの容易な製品情報を豊富に提供すべきだ。

(4) integrity(誠実さ)

・give a damn 少しもかまわない
〔原文〕The stereotype that this generation doesn't give a damn is not supported by the facts. Net Geners care about integrity - being honest, consideerate, transparent, and abiding by their commitments.
この世代が(他者に対して)少しもかまわない、というステレオタイプは事実に反する。ネット世代は誠実さを気にかけている。つまり、正直であること、思慮深いこと、透明性をもつこと、約束を守ることなど、、

(5) collaboration (協働)

・harness (自然力を)利用する
〔原文〕 The new collaboration is not traditional teamwork at all. The difference today is that individual efforts can be harnessed on a large scale to achieve collective outcomes, like Wikipedia, the online encyclopedia written by 75,000 active volunteers.
〔訳〕新しいコラボレーションは伝統的なティームワークとは異なっている。現代における相違点は、個人の努力が集合的な成果を達成するために利用されるということである。オンライン百科事典のウィキペディアのように。

(6) entertainment (娯楽)

growl がみがみ不平を言う
goof off 怠ける、さぼる
〔原文〕Employers often growl when they see Net geners goofing off online at work. But I think that employers should cool it.
〔訳〕雇用者はしばしばネット世代が仕事中にオンラインで怠けている、と不平を言う。しかし、私は雇用者がもうすこし冷静になるべきだと思う。

(7) speed 〔スピード〕

24/7 つねに、いつでも。24 hours / 7 days a week の略語。twenty-four sevenと発音する。
〔原文〕 Having grown up digital, they expect speed - and not just in video games. They're used to instant responsee, 24/7.

〔訳〕デジタルに育った彼らは、スピードを要求する。それはビデオゲームだけではない。彼らはいつでもすぐにという即座の反応に慣れているのだ。

(8) innovation 〔イノベーション〕

toil 骨を折る、難渋しながら歩く
〔原文〕Net Geners don't want to toil in the same old bureaucracies as their parents. They've grown up in an era of constant innovation and change.
(訳)ネット世代は両親と同じような古くさい官僚的なやりかたで骨を折って進むことを望んではいない。彼らは絶え間なきイノベーションと変化の時代に育ったのだ。





 以下は、Gary Small & Gigi Vorgan著「iBrain: Surviving the Technological Alteration of the Modern Mind.」〔2008年〕からの抜粋です。The Digital Divideに掲載されていました。初出の英単語に続いて、その邦訳をつけてみました。
dwarf (動詞)成長を妨げる、小さくする、いじけさせる
 〔原文〕 Internet social networks like mySpace and Facebook have exceeded a hundred million users, emerging as the new marketing giants of the digital age and dwarfing traditional outlets such as newspapers and magazines. 
 〔訳〕マイスペースやフェイスブックのようなインターネット上のソーシャルネットワークは一億人以上のユーザーをもっており、デジタル時代における新しいマーケットの巨人として出現しており、新聞や雑誌のような伝統的媒体の成長を妨げている。
snap at ~ (~に)飛びつく、先を争ってとる
 〔原文〕Digital natives are snapping up the newest electronic gadgets and toys with glee and often putting them to use in the workplace.
 〔訳〕デジタルネイティブたちは新しい電子製品やおもちゃに大喜びで飛びつき、しばしばそれを職場に持ち込んで利用している。
・ thrive 栄える、繁栄する;丈夫に育つ
 〔原文〕Darwin's principle of survival of the fittest helps explain how those with a genetic edge are more likely to survive, thrive, and pass their DNA on to the next generation.
 〔訳〕ダーウィンの「適者生存」の原理は、遺伝的な優勢をもった人々がいかに生存し、栄え、DNAを次世代に伝えることができるかを説明するのに役立つ。
dexterity (特に手先の)器用さ
 〔原文〕 As one side of the brain evolved to become stronger at controlling manual dexterity, the opposite side become morer specialized in the evolution of language.
 〔訳〕一方の側の脳が手先の器用さをコントロールするのに強くなるように進化するにつれて、反対側の脳は言語の進化により専門化するようになる。
savvy 〔俗語〕知る
 〔原文〕 For a typical computer-savvy individual, the neural circuit training occurs relatively early and then remains stable.
 〔訳〕典型的なコンピュータをよく知っている人の場合、神経回路のトレーニングは比較的速く生じ、その後も安定した状態が続く(という実験結果が得られた)。
・malleable (人・性質など)柔軟な、順応性のある
 〔原文〕 What about the brains of young people, whose neural circuitry is even more malleable and plastic?
 〔訳〕神経回路がさらに柔軟で可塑的な若い人々の脳についてはどうか? 
proficiency 熟達、堪能
 〔原文〕These new brain proficiencies will be even greater in future generations and alter our current understanding and definition of intelligence.
 〔訳〕 こうした新しい脳の熟達は、将来の世代では、より大きくなり、またわれわれの「知性」概念や理解を変えていくことだろう



 英語の本を読んでいると、難しい単語がやたら並んでいるものと、きわめて平易な文章で綴られているものとがあることに驚かされる。いま読んでいるのは、さきにも紹介したDidital Divideという、今年発売されたばかりの本だが、これは論文集ということで、多数の執筆者の文章が含まれている。英単語の難易度からいっても、優しいものから難解なものまでさまざまだ。

 例によって、Weblioオンライン辞書を手元において、引きながら読んでいる。この辞書のいいところは、主立った単語については、音声で発音を確かめることができることだ。音声ボタンを押すと、ネイティブスピーカーの声で発音してくれる。これは、単に発音を確かめるだけではなく、単語を覚えるのにも有効のようだ。

 今日出くわした新単語を拾い上げると、次のようなものがある。
etch 深く刻みつける (エッチングということばは日本語にもなっていますね。その連想で覚えよう)
  〔原文〕Reading is not etched into our genes the way speech is.
   〔訳〕文章を書くことは、話すことのようにわれわれの遺伝子に刻み込まれているわけではない
・ideogram 表意文字
  〔原文〕Readers of ideograms , such as the Chinese, develop a mental circuitry for reading that is very different from circuitry found in those of us whose written language employs an alphabet.
  〔訳〕中国語のような表意文字の読者は、書かれた文字がアルファベットであるわれわれとは違った精神的な情報処理回路を発達させている。
curtail 切り詰める、短縮する、省略する
  〔原文〕Friedrich Nietzsche had been forced to curtail his writing, and he feared that he would soon have to give it up.
  〔訳〕フリードリヒ・ニーチェは、かれの書物を切り詰めざるを得なかった。そして、かれはやがてそれを放棄しなければならないことを恐れた。
・subsume 包摂する
  〔原文〕The Internet, an immeasurably powerful computing system, is subsuming most of our other intellectual technologies.
  〔訳〕計り知れないほど強力な計算システムであるインターネットは、われわれのもつ他の大部分の知的テクノロジーを包摂するようになっている。
contemplation 黙想、熟考
  〔原文〕In Google's world, the world we enter when we go online, there's little place for the fuzziness of contemplation.
  〔訳〕グーグルの世界(われわれがオンラインに入るときの世界)では、熟考のファジーさが入り込む余地がない。
・Worrywart  心配性の人
  〔原文〕Maybe I'm just a worrywart. Just as there's a tendency to glorify technological progress, there's a countertendency to expect the worst of every new tool or machine.
  〔訳〕たぶん私は心配性なのかもしれない。技術進歩を称賛する傾向があるのと同様に、どんな新しい道具や機械に対して最悪の事態を想定する反対の傾向があるのだ。
bemoan 悲しむ、嘆く
  〔原文〕In Plato's Phaedrus , Socrates bemoaned the development of writing.
  〔訳〕プラトンのPhaedrusの中で、ソクラテスは書き言葉の発展を嘆き悲しんだ。

以上の文章は、「インターネットのおかげで、われわれの精神的情報処理の回路や思考方法が根本的に変化してしまった」という趣旨の論文から引いたものだ。〔タイトルは、「グーグルはわれわれをバカにさせているか?」となっている)。

 もうすぐハロウィーン祭りがやってくる。それで思い出すのが、1938年10月30日、アメリカのCBSラジオで放送された「火星人来襲」ラジオドラマが全米に引き起こした「パニック」騒動だ。

 その放送の全内容を、今では「ユーチューブ」で聴くことができる。これを聴いて、多くのリスナーが「本物のニュース」と勘違いしたというが、この録音版で、その真実が明らかになるかどうか、ぜひチェックしてみたいところだ。



 最近は、英書を読むとき、英和辞典はまったく引かなくなってしまった。その代わりに重宝しているのが、Weblio英和・和英辞典(オンライン版)だ。原典は研究社の新英和・和英辞典だそうだが、合計約25万語を収録しているというのだからすごい。発音のオーディオもついており、至極便利だ。もはや電子辞書も紙の辞書もいらない世の中になったと強く感じる今日この頃です。オンライン版を提供している出版社は大丈夫なんでしょうか?

 最近では、デジタルデバイドという言葉を聞くこともほとんどなくなった。インターネットの世界では、言葉のはやりすたりも非常に速いと感じる。Web2.0もそうだった。

 アマゾンでDigital Divideというキーワードを入れてみたら、2011年に発売された The Digital Divideというタイトルの本が出てきたので、さっそく注文してみた。到着してみると、半分がっかり。1990年代から2000年代にかけての、デジタル社会論の主立ったものの抜粋のような内容で、最新のデジタルデバイド論ではなかったのだ。

 ただし、「デジタルネイティブ」(新世代)対「デジタルイミグラント」(旧世代)の間のデバイドが存在するという論考には、「なるほど」と思った。「デジタルネイティブ」初出の雑誌記事が掲載されていたので、これは引用先としても使えるかもという感じだ。ただ、このことばも、数年後には死語になってしまうかもしれないが、、、

※ウィキペディアには、「デジタルネイティブ」の項目がある。この中で、「ガートナーのPeter Sondergaardが名付けた名称」と記述されているが、これは間違っていると思われる。前掲書の中でmarc prenskyの雑誌論文が転載されており、Prensky氏が2001年に雑誌On the Horizon で、初めて「デジタルネイティブ」という言葉を使ったというのが正しいようだ。ウィキペディアのこの項目は、まだ「書きかけ」の状態にあり、いずれだれかが修正することを期待したい。ちなみに、英語版Wikipediaでは、語源について、Marc Prensky氏が2001年に初めて唱えた、と記述されている。ウィキペディアの場合、日本語版は英語版に比べて正確度が劣る面があることを示す一例といえるかもしれない。

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