うちの子が「妖怪ウォッチ」にはまっている。幼児の頃は「アンパンマン」の大フアンだったが、いまでは全く振り返りもしない。小学生に入ると、「ポケモン」にはまったが、いまはテレビアニメを見るくらいだ。任天堂の3DSでいま四六時中やっているのは、「妖怪ウォッチ2」だ。「社会現象」などともいわれ、妖怪ウォッチがこれほどの大人気なのはなぜなのか?子供の話題はいつも妖怪ウォッチだが、私には今ひとつ理解できないでいる。

 雑誌『DIME』の最新号は、「妖怪ウォッチメガヒットの法則」という特集記事を組んでいる。これを読みながら、その人気の秘密を探りたい。

  それによると、「妖怪ウォッチ」の玩具だけで年間400億円の売り上げが予想され、これは10年に1度の大ヒットだそうな。雑誌では、メガヒットの法則として、次の4つをあげている。
  1.  異業種を取り込んだクロスメディア戦略
  2. ユーザーフレンドリーなゲームづくり
  3. リアリティにこだわるストーリー
  4. 幅広い年齢層をターゲット

異業種を取り込んだクロスメディア戦略

 「妖怪ウォッチ」は、ゲームメーカー「レベルファイブ」が中心となって、出版社、広告代理店、玩具メーカー、テレビ局、映画会社など10社以上の企業がプロジェクトを推進している。この点では、「ポケモン」と同様のクロスメディア戦略を展開しているといえる(下図参照 出典『DIME』2014年11月号,P.84)。


 クロスメディア














 これが、相乗効果を生み出し、大ヒットにつながっている。

ユーザーフレンドリーなゲームづくり


 「妖怪ウォッチ」は、家庭用ゲーム機のなかでも、とくに遊びやすさを徹底しているという。「章ごとに区切られているから、短い時間で少しずつクリアできて、子供がメリハリをもって遊べる」(『DIME』)とのことだ。また、ゲーム本編とは関係のないミニストーリーや探索できる要素をたくさん用意し、長く楽しめる仕組みを導入したことも、人気の秘密のようだ。

リアリティにこだわるストーリー


 雑誌によると、「妖怪ウォッチ」の物語や世界観は、ファンタジーでありながら、子供たちの日常生活を反映したものとなっている。アンケートなどで子供たちの悩みなどを収集し、「友達とケンカして仲直りできない」などといったリアルな悩みを描き、「妖怪という非日常とギャグで笑い飛ばす風刺的なストーリーで共感を呼んだ」という。

幅広い年代層をターゲットに

 アニメでは、「子供の喜びそうなベタなギャグが登場したかと思えば、『巨人の星』『北斗の拳』など70~80年代の懐かしネタのパロディが説明なしで登場。子供に理解不能なネタも、親との会話のきっかけとなり、大人を巻き込む仕掛けとなっている」(『DIME』)。こうして、小学生男子だけではなく、女子、親といった幅広い社会層に も受ける要素がつまっており、これが幅広い人気の秘密だという。

 もっとも、私などは子供の頃、マンガも読まず、テレビゲームもせずに育ったので、「妖怪ウォッチ」の世界にはあまりなじめない。子供を通して、少しでもこのアニメの人気の秘密に迫りたいと思う。