ソーシャルメディアの光と影
ソーシャルメディアは人と人との繋がりを育むもので、明るい面もあるが、個人情報が漏れ出したり、基本的人権を侵害したり、犯罪で悪用されたりと、暗い影の部分も合わせ持っている。とはいえ、法律で利用制限をかけることは、自由な情報の流通や人と人の繋がりを阻害することにもなりかねない。そこで、企業、大学、行政機関などでは、独自の「利用ガイドライン」をつくって、ソーシャルメディアの適切な利用を呼びかけている。ここでは、 大学に対象を絞って、ネット上で公開されている利用ガイドラインを比較評価してみることにしよう。
大学生向けのソーシャルメディア利用ガイドライン
Googleで「大学 ソーシャルメディア利用ガイドライン」をキーワードとして検索し、ヒットした大学について、その内容を比較してみた。サンプリングをしたわけではないので、代表性には乏しいが、10大学を選び出し、ガイドラインの主要項目を表にしてまとめてみた(2014年10月19日閲覧)。
16項目のうち、どれを含んでいるかという比較を行ったが、もっとも多くの項目を網羅しているのは、津田塾大学だった。改めて、16項目を列挙しておこう。
- 法令や規程を遵守する
- 他者や自分自身のプライバシーを保護する
- 自分の発言に責任を持つ
- 他者に敬意を払う、ネガティブな発言はしない
- 大学構成員であることの自覚をもつ
- 写真掲載などでは相手の了解を得る
- 著作権、肖像権など基本的人権を尊重する
- 批判的、誹謗中傷的な発言はしない
- ID、パスワードの管理をしっかり行う
- 批判、中傷誹謗には誠実かつ速やかに対応する
- 正確な情報を伝達、発信するよう心がける
- 公序良俗に反する発言はしない
- 人種、思想などについて差別的な発言はしない
- ソーシャルメディアの特性を理解して利用する
- 機密情報の取り扱いに注意する
- 大学のロゴを無断で使わない
これらの項目は相互に排他的なものではなく、内容的に重複している部分もある。また、ソーシャルメディア以外のインターネット全般についていえる項目もいくつか見られる。しかし、全体としてソーシャルメディアの利用ガイドラインに含めるのがふさわしい項目ともいえる。授業などでも周知をはかりたいと思う。また、自分自身の利用ガイドラインとしても、自戒を込めて頭に入れておきたい。
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